6ビットは、その標識の型に応じて「010000」または「000000」に予めセットされる。さて、ビット107を「1」にセットしたときには、ビット109〜112は、表1.1にある遭難の種類をビット107の1とともに、何等かの形で標識に入力して送信することになり、ビット107を「0」にセットしたときには、ビット109〜112は、上の0000を除いて、国ごとに0001から1111までの範囲で自由に定めて使用できることにしてある。 長メッセージのビット113〜144の32ビットで、表1.2に示すように、外部からの自動か手動入力による遭難船の位置情報に使用される。先に、ビット26が「0」であったときには、ビット27〜36はMID、ビット37〜56は20ビットで示されるMIDを除く船舶の識別で、残り29ビットが、ここでのビット115〜143までのデータに使われるので、長メッセージは船舶の針路、速力、曜日と時分のデータなどに使用されることになっている。これらのデータの伝送速度は400b/s±1%で、従って、短メッセージのときの送信時間は、280ms±1%、長メッセージのときは360ms±1%である。 このように、この406MHz極軌道衛星利用EPIRBには、その規格的な相違のあるものもでてくる可能性があるので保守点検には注意を要する。アンテナも送信機から切離せるものと固定のものがあり、後者の場合は送信電力の測定は簡単には不可能である。
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